たけとけたと片付かない部屋

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読書感想「オプティミストはなぜ成功するのか?」は屁理屈好きなネガティブ人間におすすめ!

どうも、豆腐メンタルのたけとけたです。

 僕は結構ネガティブな方で仕事上でも「ポジティブな方がいいよ」と言われるのですが、「いやいや、ポジティブになれって言われてポジティブになれたら苦労しねーよ」と聞く気が全くなく理論武装で屁理屈をこねまくるめんどくさいタイプのネガティブな人です。

 それでも仕事柄ポジティブになれた方がいい場面が多く、薄々なんとかしないといけないなあと感じていました。結構プレッシャーの多い仕事なのでいちいち凹んでいられないんです。そんなときに読んだのがこの本です。

オプティミストはなぜ成功するか

オプティミストはなぜ成功するか

 

 この手の本にありがちな「こうやって思えば大丈夫!」とか「 オプティミスト(楽観主義者)はこれぐらいお得だからなったほうがいいよ!」といった論説を並べる本かと思いきや、バリバリの心理学者がライフワークとして研究した楽観主義者と悲観主義者の違いについて論じられています。そのため「ネガティブな思考の仕組み」を知る面白さと、実際の研究事例とその研究手法の面白さを味わうことができます。

 ネガティブ思考は「説明スタイル」で分かる

 この本の中で一貫して解説されているのが、「説明スタイル」です。これはある事象が起こったときに、それをどう自分に説明するかによって楽観主義か悲観主義かに区別することが可能であるということです。

 よくある例で言えば「今日は午後から雨が降るとニュースでやっていたのに、傘を忘れてしまった」ということに対して「私はいつも大事なときに忘れ物をする」と自分に説明するのか、「朝は子供がぐずってニュースを見れなかったから、今日は傘を忘れてしまった」と説明するのかで同じ事象でも受け取り方が変わるということです。この例だと前者は「悲観的」で後者は「楽観的」な説明スタイルとなっています。

 この説明スタイルの分別方法がす面白かったです。それは「内的か外的か」「永続的か一時的か」「普遍的か特定か」で判断をする方法です。

 「内的か外的か」は、事象の原因を自分にするのか、自分以外にするのかの違いです。

「永続的か一時的か」は「いつも・ずっと」のような過去と現在を結びつける永続的な考え方か、「今回は・たまたま」など現在のみの一時的な考え方です。

「普遍的か特定か」は「普遍的・一般的な事象」と考えるか、「特定の物事に限定」して考えるのかの違いです。 

 これらをいいことが起こったときと悪いことが起こったときにどのように自分への説明に使っているかの傾向を捉えることでオプティミスト(楽観主義者)かペシミスト(悲観主義者)なのかを分析しています。

 本の中では、この分析方法の紹介だけでなく実際にビジネスパーソンの動向から仕事の成果と楽観主義の関連性や、成功するアスリートや政治家の発言から分析を行なった結果を紹介されていて科学書としても面白いです。一方で論理的な展開が続くので感覚的に理解したい人には読みづらいかもしれません。私は理詰めで説明してくれた方が腑に落ちる方なので、今までの自己啓発本と比べて納得度が高くてよかったです。

「ポジティブ」でいることは意外と簡単

 この本に書かれていることからポジティブになるには、いいことが起これば「自分のおかげで・ずっと続くことで・いつも身の回りで起こっていること」にして悪いことが起これば「誰かや環境のせいで・今回限りで・たまたま起こってしまったこと」にしてしまえばいいってことになります。身も蓋もないね。ただ身も蓋もないですが、ポジティブってそういうことなんですよね。今まで「ポジティブになれ」って言われても本気でなろうとできなかったのはこの「身も蓋もない」感じが嫌だったんだと思います。

 もちろん著者はオプティミストが必ずしもいい訳ではなく、ケースバイケースで使い分けるバランス感覚が必要と説明しています。そうだよね、いつも人のせいにしてたらよくないよね。ただペシミストが自分を追い込みがちであることから、うつ病などの精神疾患を伴うような場合は積極的にオプティミストの考え方を取り入れることを提案しています。

 こうやって科学的見解を元に考えると「ポジティブ」でいることは意外と簡単です。目からウロコでした。

「ポジティブ」と「ネガティブ」を使い分けれると最強

 状況によってポジティブであったほうがいいのか、ネガティブであったほうがいいのかは変わってきます。例えば英会話の習得は「ポジティブ」に失敗なんか気にせず自信を持って話をたくさんした方が上達が早いです。一方で文章の推敲は「この文章で意味が伝わるのか?」「この単語の使い方はあっているのか?」とか疑って読んで行く方がいいです。「飛行機の点検」なんかも「まあ失敗しても大丈夫」なんて気持ちでやってはいけないですよね。

 そういった「ポジティブ・ネガティブの境界線を論理的に理解すること」がこの本を読むことでできるので、自分の生活の中で応用が利きやすいという利点があります。僕も状況によって説明スタイルを変えることで仕事や家庭のストレスが意識的に軽減できることがわかってきました。この感覚が分かってくるとすごく面白いですよ。

屁理屈好きなネガティブ人間におすすめ!

 とにかく屁理屈を言い続けて、毒を吐き続けるようなネガティブな人って周りにいませんか?そうです、僕です(笑)

 なんかね、「ポジティブでいこう」ってすごく胡散臭いと思うんですよね。今もその気持ちは変わりません。ずっとポジティブな人がいたらそれは何も考えてないだけじゃんって思ってしまいます。でも不必要な場で「ネガティブ」な思考をして消耗してしまっていることも事実なんですよね。そこは認めざるを得ない。全然自分の人生に関係ないひとからの小言とか気になってしまうタイプの人間には現代社会は刺激が多くてしんどいです。

 なので社会と折り合いをつけて楽しく生きるやり方として「ポジティブとネガティブをコントロールする」というのは一つの有効な手段です。

 「いやいや、結局よくある自己啓発本なんでしょ?」と思う人にはぜひ読んでほしいです。高校生時代の厨二病爆発していた自分に読んでほしい、ほんとたった一度の失恋で大事な夏休みを棒に振ったことを全力で後悔してます。。。

 まあそれもいい思い出ということで、今は楽しくやれててよかったね!ではでは!

オプティミストはなぜ成功するか

オプティミストはなぜ成功するか