たけとけたと片付かない部屋

製造技術の仕事や家事・育児、趣味について書きます。

AIなんてよく分からない、けど仕事でやってみたいと思ったら「一番優しい「機械学習」プロジェクトの教本」を読もう!

 昨年度「AIを使った業務改善を〜」なんてことをうっかり上司に言ってしまい「それってどういうこと?」「具体的に何をしたいの?」と質問攻めにあってしまいました、たけとけたです。今は第3次AIブームであり、日々ニュースでもみる機会があるので同じようにイメージでなんかできそうって思ってしまいませんか?僕はすぐ好きなSF映画に繋げて考えてしまうので、「マイノリティレポートみたいに画面を宙に浮かしたい」とか言って炎上してます(しかもたとえに使う映画が古い)

 そんな「仕事で使ってみたいけど、実際どうやったらいいの?」みたいな悩みに答えてくれるのがこの本です。

 

機械学習プロジェクトの進め方が理解できる

 本書の最大の特徴は「機械学習のプロジェクトをどうやって立案、実行するか」に特化して説明しているところです。「プロジェクトマネージャー」視点でどうやって仕事を回すべきか論じられており、これから仕事で使ってみたい、でも何から始めればいいか・・・という人に最適です。

 Chapter 1と Chapter 2で「機械学習とは?」を説明した後、Chapter 3~8までは実際の機械学習プロジェクトの進め方と、プロジェクトの進行状況におけるタスクの紹介、考えなければならない点をわかりやすく紹介しています。著者が過去に手がけたプロジェクトの具体例を元に紹介されており非常に分かりやすいです。プロジェクトの構想の立て方や実際に稼働させた後のメンテナンスのことまで書いてあります。専門的なことを全く知らなくても本書を読むことで仕事で使うイメージを持てますね。

「プロジェクト事例」に基づく運用が分かりやすい

 これからのビジネスでのAIの可能性は言わずもがなですが、現行技術の状況と適用しやすい点について言及している点もこの本のワクワクする点です。例として「きゅうりの仕分けを自動で行う」ものも紹介していますが、運用が成功した要因として「人が判断を膨大な数行ってる」ことを挙げています。

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 きゅうりの仕分けといっても、長さや曲がり具合、凸凹などさまざまあり単純な作業ではありません。「合否判定のデータを一定量取得できる」「人が行うと長時間同じ作業を行わなければならない」点で、大量のデータから判断する」機械学習の特性と疲れない機械(ロボット)の特性が生かされていることがわかります。

 著者はこういった「機械学習プロジェクトに向いている課題・向いていない課題」を過去の経験から説明されており、自社での実現性を考える上でも有用です。

 

 Find Your Candyというデモも面白いです。

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 これはーザーが好みのお菓子について話しかけると、機械学習を組み合わせたシステムがお好みのお菓子を見つけ、ロボットアームが渡してくれるというものです。音声認識と形態素解析、画像認識の技術が使われています。興味深いのはこのプロジェクト自体が1ヶ月強で行われたことです。

 これはほぼすべてクラウドの機械学習サービスと機械学習ライブラリを組み合わせて作ることで期間内に開発を実現しています。開発者にとって一般的な技術だけを組み合わせることでこれだけの機能を実現できるそうです。すごい時代になっているものですね。

もちろん機械学習の概要も分かる

 この本では「機械学習とは何か?」から始まり、その特性と、プロジェクトの運用方法について説明しています。本書のターゲットが「AIよく分からない層」ですので、AIの運用のところで最近話題になっている機会が学習の特徴についてしっかりと説明してくれています。機械学習で使われるプログラミング言語であるPythonのことや、データサイエンス分野でよく使われているR(アール)の説明も入っています。何も知らない状態でも実例を元に知ることでイメージが持てるようになるので、非常に内容の濃い本になっています。

機械学習プロジェクトのイメージが持てた

 個人的にはここが一番大きかったです。この本を読むことで「これだったら機械学習を使えば改善できるのでは?」という具体的なイメージを持てるようになりました。仕事での課題でもあれだったらできそうだな?これはどうだろう?と構想を持てるようになったのでとても面白かったです。

 自分自身も何か作りたいと考えながらモヤモヤしていたので、実際にどうやって考えてどうやって作っていけばいいのかがこの本でクリアになりました。何か一つ作るのが本年の目標ですので、人のコードを使うだけでなくアレンジをして自分の技術の幅を広げたいですね。趣味の範囲でやってみたいと思います。

 ということで僕みたいに「AIでなんかやってみたいけど、どんな感じなんだろう?」という人はぜひ手にとって読んでみてほしいです。イメージが膨らみますよ! 

ではでは!