たけとけたと片付かない部屋

製造技術の仕事や家事・育児、趣味について書きます。

外資系企業へ転職しようとしたらスピード感が違って慌てた話

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怒涛の年度末を過ごしています。たけとけたです。

外資系企業への面接に行っていたのですが、スピード感がすごくて目が回る2週間でした。結局ご縁がなくて転職自体はうまくいかなかったのですが、転職していないのにすでに濃い体験をしたので紹介します。

転職の目的

今回受けた会社は下記のような感じでした。

・外資であること

・現在の会社の業界と同じ+職種ちょっと違う

身バレしそうなので職種は言えないのですが、国内では聞いたことないけど海外では一般的な職業でした。製品開発と事業企画の両方をする感じの仕事です。

今回の転職活動の流れ

実際の転職活動の流れはこんな感じ。

  1. 転職エージェントとの相談
  2. 急遽決まる一次面接
  3. ビデオ通話での二次面接
  4. オファー連絡
  5. 社内都合によるオファー取り消し

転職エージェントとの相談は3月はじめにやっていたのですが、2~5のステップは一次面接が決まってから2週間(実質10日ぐらい)で決まりました。

1.転職エージェントとの相談

 ビズリーチに登録していると、1件だけ英語のスカウトメールが飛んできていたのでなんだか面白そうだなと思い連絡をとりました。RGFというリクルートのグローバル企業向け転職サービスのエージェントさんで、僕の担当の方は外国人です。なので電話面談は半分日本語で半分英語でした、めっちゃ焦った。

 向こうもメールや面談を英語にすることでスクリーニング・語学力を評価しているよう。簡単なコミュニケーションはできると判断してもらえたようで、「君にちょうどいい求人があるんだよ」って感じで1社紹介してもらいました。英語でレジュメ(職務経歴書)が必要とのことで2日かけて作成し送付。レジュメを送ったら「これでオーケー、あとは連絡待っててね」とのこと。

2.急遽決まる一次面接

〜〜二週間後〜〜

「Congratulation!面接決まったよ!来週月〜水でいい時間を教えてね」「まじかよ、今日木曜なんだけど、業務調整。。。」てな感じで始まりました。前転職活動した時は2週間後の希望出してもOKだったので焦ったんですが、「このスピードについてこれなきゃ、うちに来てもやってけないぜ」みたいな宣戦布告(?)な気が。。。慌ててリスケして対応です。

 面接は日本人1名、外国人1名の計2名で1時間ほど。前半は自分の経験分野と希望するポジションがマッチングしているかをチェックしました。面接官が簡単に業務紹介してくれて、「〜〜の知識がいるけどありますか?」「〜〜の経験はありますか?」などの質問に答えました。思っていたより分野が違ったので、「合成はできますが、プラスチック加工の経験は少ないです」「社内でのプレゼンは英語での経験がありますが、客先でのプレゼンは経験してません」など正直に事実を説明してます。

 後から聞いた話では、歳の割に落ち着いていたと評価してもらっていたようで、自分の考えと事実を分けて話す、できることとできないことを分けることを徹底したのが良かったのかもしれません。久しぶりに学生時代の研究内容について英語で説明したときは、「あれ?どんな実験してたかな?」と汗だらだらでした。当時の論文の英語とか真面目にやってなかったので覚えてなかったのでテキトーだったんだけどな。もしかしたら外見が歳の割に老けてたとか、そんな理由なのかもしれません。

3.ビデオ通話での二次面接

 一次面接から5日後に「向こうが色々確認したいらしいから土日で連絡つく日がありますか?」と連絡あり。あれ?明日じゃね?とこのときもバタバタ。土日にプライベートの予定をがっつり入れていたのでリスケできず、時間帯を調整してもらって面接を実施しました。

 二次面接はビデオ通話で人事の方との面接です。こういう自由が利くのは外資系ならではかもしれません。内容は人事担当者からの人事制度の説明や、勤務時間等の状況、志望動機の再確認などでした。質問への回答自体はよかったようですが、僕が他社の選考も含め検討する時間を欲しい旨を伝えると微妙な雰囲気に。。。向こうも即断即決の文化のようだったので、迷っていること自体マイナスだったんだろうなあと反省しています。

4. オファー連絡

 自分では「ダメだったなあ」と思いその旨をエージェントさんにも伝えていたのですが、「いやいや、やる気あるんでしょ?その辺こっちから説明するから」と言われる。かと思ったらその日の夜には「説得できました!内定出そうなので入社出してもらえますか?」と突然の展開に、ここまで一次面接から一週間。早いわ!

急遽開催した家族会議

 上記の情報は妻にも共有していたのですが、「まあ受からないよねー」ぐらいのニュアンスだったので慌てて電話して状況を説明しました。妻とも真剣に議論したら確認事項がこのタイミングでどんどん出てくるんですよね。

  • 給与はどのぐらい上がるのか?
  • 出張の頻度は?
  • 残業時間の実態は?(数字聞いてなかった)
  • オファーレターはあるか?
  • そもそもやりたい仕事なの?
  • なんで複数社受けてないの?(比較して決定するため)

この辺の質問には僕も答えられず。。。オファーレターの存在とか知らなかったので素人丸出しでしたね、勉強不足でした。転職エージェントに慌てて確認するんですが、エージェントの方は本当に入社する気があるのかが不安のようで「ポジティブなの?ネガティブなの?」の一点張り。英語だと日本語特有の曖昧なニュアンスが「で、どういうことなの?」って理解してもらえずちょっと待ってくればっかり言ってましたね。仕事も忙しいタイミングだったので脳みそがジュルジュルでした。

5. 社内都合によるオファー取り消し

 色々悩んでいたのですが、次の日に結局オファー取り消しになりました。エージェントさんから「いい知らせと悪い知らせがあるんだが、どっちから聞きたい?(英語)」と言われ、「本物じゃん!」と感動しましたね。いい知らせの内容ほぼなくて、ほとんど悪い知らせだったけど。

 なんでもアジア圏で別の支部も採用活動を行なっていて、そちらの人員のみ採用することに決定したらしく。。。外国の採用者に採用枠取られるとかあるんですね、グローバル企業すげえや。エージェント曰く国内ではオファーレターの準備をしてて承認もらおうとしたらどんでん返しにあったようです。本気度を数回確かめられていたので、拍子抜けしてしまいました。

転職の内定をもらえそうになってわかったこと

判断基準をブラッシュアップできた

家族がいるので、自分だけの問題ではなくて判断の仕方に困っていました。これが分からないとどんな選択肢がベストなのか分からないですよね。

今回の経験を通して、僕の転職(+現職に残る)判断基準は下記となりました。

  1. 今住んでいるところから通えるか
  2. 自分の技術職としての経験が活かせるか(楽しそうか)
  3. 自分のマーケットバリューが向上するか(成長できそうか)
  4. 残業が少なく早く家に帰れるか・柔軟な働き方(フレックス制度等)ができるか
  5. 給料は現状並み(それ以上)か

 僕の家庭は共働きにより幼児2人で、今住んでいるところだと妻の親から育児のサポートがもらえます。妻がしっかり働いていて子どもが小さいうちはお互いのキャリアのためにも現時点では引っ越しなし前提です。

 2~5.は家庭状況もありますが、「メタ能力が向上するチャンスが拡大するか」も考えてます。2.と4.より生産性向上することで達成し、3.はマーケット感覚を鍛えることを考慮してます。2.を上にしているのはリーダーシップを得るチャンスをもらえる可能性が増えるためです。自分の専門分野は好きなので、これを活かせる軸を目指そうかなっと。

 判断基準が多いのでほぼ案件残らないこともわかってきたので、下記を考えて引き続き嫌な仕事を断れるキャリア形成を目指します。

  • いいオファーをもらうために自分に何ができるのか
  • 条件を緩和できないか(家事育児負担を下げる、副業で年収の帳尻が合うようにする、生活コストを下げる、今の仕事で業務幅を広げて選択肢を増やすなど)
  • 妻のキャリアとのいいとこ取りする方法がないか

www.taketoketa.com

国内マーケットの縮小の影響を感じられた

 アジア圏内での採用が他の支部のみで見送られたのですが、中国の方では採用されて日本は見送りだったようです。受けていた会社はアジア市場は日本から発信して商売をしていたようですが、数年前に中国にも支社を作りそちらの機能を拡大しているそうです。

 グローバルでみると日本市場の魅力が減少していることを、自身に関係ある形で経験できたのは大きかったです。市場が伸びないから拠点の規模も拡大しないし、僕みたいな製造業の職種は国内には増えにくそう。製造系のグローバル企業ではアジア圏の本社機能を中国やシンガポールに移している話も聞けました。アジア圏での戦い方を考えて生存戦略を考えないと厳しいですね。いっそ海外に打って出た方が楽かもしれないなぁ。

素材製造業の外資系企業は商社機能がメイン

 「なかなか自分の職種にあう求人ないなあ」と思ってたんですが、そもそも素材製造業の外資系企業が日本に拠点を持つ理由って商社機能がほとんどなんですよね。日本でものづくりするメリットはもうないので、拠点が増えていくことも少ないです。

 一方で日本の自動車メーカーは依然強いので、自動車メーカーへ供給する部材を作る部門を日本企業との合弁会社で作るのがトレンドになっているようです。なんで会社の雰囲気は日本企業よりかもしれないなあ。ただこっちよりかは商社機能を持つ支社がメインなので技術サービス系の仕事のオファーが多いです。マーケット感覚を得る上ではいいんですが、もうしばらくは技術側に軸足を置きたい気もするので悩ましいところです。

スピード感とフットワークの軽さが必要

 今回は面接の予定を入れたりする作業をタイムリーにできたので最後まで進めたのかなと思います。一年前の自分のスピード感だったら無理だったなぁ。判断のスピードが外資は早そうなので、スピードも選別基準になってそうです。普段の仕事の仕方もまだまだ改善の余地があり、スピードをもっと出せるのもわかったのが収穫でした。

 また「オファーレターってなに?」「福利厚生の話聞いてなかった(外資なのでなかったけど)」とか直前になってバタバタしてしまったのですが、とりあえず内定もらうまでの進め方は一通り経験できたのでやり方をブラッシュアップしていけばスマートにできますね。英語でエージェントさんとやりとりしていたこともあって分からないことだらけだったのですが、面白い経験ができたのでよかったです。

「やってみたい!」が一番

 要望が多くて「転職する気あるんですか?」と言われるんですが、転職だけが選択肢ではないと思って活動しているのでそう見えるのかなと。まあ飛び込んでみないと分からない部分もあるのでパーフェクトな職場を探すことに固執しないように気をつけないといけないですが、この条件でやってみて見つからなくても今の会社のありがたみが分かればそれでいいし、分からなければ条件を変えてやってみたらいいかなと思ってます。

 求人が豊富なのは今のうちですよ!来年はもうわかりませんよ!と言われて焦って転職活動していたのですが結局のところ自分が「やってみたい!」とポジティブになれないならやる意味もないなって思いました。

 話が全然変わりますが、スターウォーズのアナキンが未来を心配しすぎて大切なものを見失ってダークサイドに堕ちてダースベイダーとなってしまったように、危機感や恐怖にのみ突き動かされた選択は多分後悔しそうです。。。

 不安や恐怖で変化を恐れるのもよくないですが、逆もまたしかりだなあと。

まあでも、今回の件は最後は「やってみたい!」って思ったので、やっぱり悔しかったなあー。

ではでは!