たけとけたと片付かない部屋

製造技術の仕事や家事・育児、趣味について書きます。

「甲鉄城のカバネリ 開門決戦」拠点攻略戦がとにかくアツかった!

「甲鉄城のカバネリ」はフジテレビ「ノイタミナ」枠で2016年4月より1クール放送されたアニメです。アニメ版「進撃の巨人」を手がけたWIT STUDIOによるオリジナル作品でして、監督は荒木哲郎、シリーズ構成・脚本は「コードギアス 反逆のルルーシュ」などの大河内一楼が手がけてます。

 物語は蒸気機関が発達した極東の島国・日ノ本(ひのもと)を舞台に、装甲蒸気機関車・甲鉄城に乗る人々と、不死の怪物・カバネとの戦いを描く。

 そのアニメ版のラストで金剛城から辛くも脱出した後の話で、甲鉄城で故郷に帰る道中での物語を描いています。映画では監督・脚本が荒木哲郎、シリーズ構成が大河内一楼になってますね。

 今回、映画館だけでなくNetflixとamazon prime video でも配信しているのですぐ見てしまいました!

其の一
 

「そのその旅路の先に、新たな運命(さだめ)・・・」

 サブタイトルの「開門決戦」にもあるように、廃墟駅「海門(うなと)」をカバネから奪取しようとする話になっています。現地の民と「連合軍」を結成して戦う、甲鉄城が外様扱いされながらも要所で踏ん張って活躍するいつもの展開です。

「甲鉄城」×「拠点攻略戦」

 本作の面白さは「拠点攻略戦」これに尽きます。これまでの「カバネをやり過ごして進む」から「カバネを攻略する」に戦略が変わっています。人間も強くなってる。

 少しずつ攻め進み、線路を敷き、疾城を進める。この展開がとにかくいい。冬が来る前に早く攻め落としたいけど、線路を敷設しないと疾城を進められないとジレンマ。戦局における工兵活動の重要性が増した第一次世界大戦の背景とマッチしていて熱い。

 新しい疾城(自走砲みたいなやつ)も活躍していて面白かった。やっぱそういう兵器が開発されるよね。工兵といえば、軍事工場も隣接している描写もあり「普段の街が戦場になっている」カバネリの設定を感じさせてくれます。世界観が一貫していてよかったなあ。

 

人かカバネか?

 アニメでも「人かカバネか?」という問いが随所にあり本作のテーマともなっていて、今回もその問いで人間模様を描いています。また生駒と無名の調子が悪くなる=カバネとして影響を受ける描写もあったりして、より答えづらい問いになってますよね。生駒と無名という「いいカバネリ」が不安定になってしまうと、一転して手のひらを返したくなる人間の弱さだったり。

 カバネも集団意識の中で統率が取れる動きをするなど、人とカバネの境界線をとにかくなくすギミックになってるのもキモですよね。「カバネにそんなことができるか!」と人間が思い込むことが自らの正当性のロジックになっているのに対して、それができる存在であった場合どうなるか?と自問自答する展開になってる。この辺は「進撃の巨人」の謎の深め方と似てますね。

 アクション面でも、単に強いカバネを出すパワーインフレ方式ではなく「特徴のあるカバネ」を出すことでアクションシーンを変えていくのはいい。「おいおい、そこで戦うの?」といった無茶をキャラクターに自然にさせてしまうシナリオの力がすごい。

 

甲鉄城のカバネリ 設定資料集

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無名と生駒の恋模様

 1クールの最後でいい感じになった無名と生駒の恋模様が存分に描かれていて最高です。無名かわいい無名。生い立ちが壮絶なだけに、青春を取り戻すかのような勢いで恋してます。

一方で生駒も生駒で一人で突っ走る系なので、すれ違いや思い込みもあって面白い。共に修羅場をくぐってきた甲鉄城の面々が生駒の扱いに慣れているのがいいですよね。生駒の「無名を普通の人間に戻す」という約束がどうなっていくのか?続編が欲しくなるよねー。

 甲鉄城の面々も「甲鉄城での生活慣れ」していて、しっかり生活圏になってて日常の営みが確立されている。「蒼穹のファフナー」ではないですが、「文化が人を人たらしめる」感覚を感じさせます。前作より人間の暖かさにフォーカスを当てている・それが強さの軸になっているのも積み重ねがあったからで「おお、みんなたくましくなったな」といった感じ。ラストのよさこいもいいよね、文化って感じで(語彙力

咲かせや咲かせ(期間生産限定盤)(DVD付)(特典なし)

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戦国時代は来るのか?

 冒頭であった「各拠点ごとにカバネを駆逐し拠点を築いて覇権を争う」の先には「日ノ国統一のための戦国時代」設定が作れてしまう。故郷に帰るだけでも第二期ができてしまいそうですが、その先は日ノ国統一なんだろうか?

 カバネに対する理解も深まり、戦力としてカバネを使った攻防だけでなく新兵器の開発など色々なことができそうなので続編あれば楽しいですね。維新後の日本を想定しているので、諸外国と日ノ国の立ち位置がどうなっているのかも知りたい。ただ「進撃の巨人」が壮大に世界観のスケールを変える手法を見せてきているので、そことの差別化とかも気になる。

 「ファフナー」も映画での収益を見ながらアニメ続編に踏み切ったと思うので、今回の収益次第で続編どうなるか決まるのかもしれない。ということで、NetflixとかAmazon prime video でも、(多分映画館で見るのが一番インパクト大きいけど)見て欲しい!そして続編が見たい!

https://www.netflix.com/jp/title/81095103

其の二
 
其の三