先日ghost in the shellハリウッド版を観てきました。マレーシアの映画館だったので英語の会話(日本語字幕なし)でした。
「これ分かるんかなぁー、まあ原作は知ってるし、なんとかなるか」と思ってたんですが、北野武さん終始日本語でしたね。荒巻がしゃべるたびに話しがキャッチアップできてよかったです。
攻殻機動隊の世界観はそのままに、草薙素子の誕生から自分のアイデンティティを理解していくというストーリー。
基本的なアイテムや印象的なシーンはほぼ網羅されていたのではないでしょうか?攻殻機動隊の世界観を知らない人に入ってきてもらえるような仕組みと、ファンが実写化で観たかった映像を盛り込んでいる、よくできたオマージュ作品でした。
街並みのハイテクニュートーキョーみたいな勘違い日本の発展版やら、光学迷彩での格闘シーンとか、deep diveは危険だよ、というありふれたやりとりとか、あと主役級は完全に見た目から入っているので本当にアニメの世界観が実際にあるかのような説得力でした。トグサが英語でペラペラ喋ってるのとか、「素子」の発音が英語風のネタだったりとか、多少の無理はゴリ押ししてたけど。
実写化というハードルをものともしないパワフルな、十分満足できる作品です。好きな人は一見の価値ありです。
ただ一点、ストーリーについては、ゴーストの解釈を分かりやすくしたかったからでしょうか。映画だけを観た限りではゴーストは過去の記憶の集積のような印象を与えてしまっていて、オリジナル作品の奥深さがなかったです。あれだと脳みそいじられても大切なことは覚えているんだよ、みたいなよくある話じゃないか、と思いました。まあハリウッド版だし仕方ないのかな。
全身を機械にする、ということを「運命」ではなく「選択肢」としてやらないと、ただ機械人間に心はあるのかみたいなアンドロイドの性質の話になってしまってそれキカイダーですよ、攻殻機動隊は逆方向からのアプローチじゃなかっかかな?って。体を少しずつでも機械にすることで、身体の変化による心の変化がある訳で、それを脳みそ以外機械にしてしまったら心は機械の体のインプットのみで形成されていくのでそれは人間なのか?というところ。脳の思考だってただの電気信号なんだから結局もう意思は存在しているように見えて存在していないんじゃないの?という問いかけ、突き詰めて考えてくと生身の人間だって脳の仕組みは一緒なのでじゃあ自我とか、個人の意思って何なのさってなってくる。脳みそに直接データ入れたりできるとハコの意味合いが強くなって、中身一緒じゃんってリスクにもなりえる。。。
みたいな投げかけすっ飛ばしていたので、うわーとはなってしまいました。で、他の攻殻機動隊みたいー!ってなりました。
映画としての完成度はすごいので、興味ある方は是非是非。
ではでは!