この2ヶ月は学習系の本をメインで読みました。仕事で必要に駆られて読んでる本が多かったです。
- SIMPLE RULES 「仕事が速い人」はここまでシンプルに考える
- 「一瞬で決断できる」シンプル思考
- 「誰がアパレルを殺すのか」
- ヤフーの1on1
- 現場を鍛える「強い現場」をつくる7つの条件
- エッセンシャル思考 最小の時間で成果を最大にする
- 知的創造の方法論
- 最後に
SIMPLE RULES 「仕事が速い人」はここまでシンプルに考える
組織でありがちな「過去の失敗を元にルールを作り続けると、ルール自体が膨大になって使い物にならなくなる」現象に対して、如何にしてルールを概念化して普遍的に使えるものにするかについて書かれています。組織の目標とか、浸透する考え方とはどんなものなのかコンセプトを考えるときに役に立ちます。

SIMPLE RULES 「仕事が速い人」はここまでシンプルに考える 三笠書房 電子書籍
- 作者: ドナルド・サル,キャスリーン・アイゼンハート
- 出版社/メーカー: 三笠書房
- 発売日: 2017/08/25
- メディア: Kindle版
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「一瞬で決断できる」シンプル思考
たまたま上の本を読んだ後におすすめで出てきたので買った本だったのですが、内容は上の本の具体例の一つみたいで面白かったです。「一瞬で決断できる」というよりは「先に全て決めておく・準備しておく」イメージです。自分の中でルールを設定して、それを洗練させていくことに比重を置いています。「家ではサッカーのことは考えない」や「試合前日に相手チームの情報を入れない」ことでフレッシュな気分で目の前の試合に臨むスタンスは意外でした。頭を使うオンオフまで徹底しておかないと、試合中の過酷な条件での思考をフルに発揮できないんですね。僕は四六時中仕事のことを考えている方なので、他のことに気を向ける練習をつけたほうがいいと感じています。
「誰がアパレルを殺すのか」
ちきりんさんおすすめで買った本です。帯の通り「変われない産業」の中での産業構造の変化を感じることができる本です。 アパレル産業は馴染み深いのでとっつきやすい一方で、市場主義の面白さと凄さを感じました。「業界が衰退したわけではなくプレーヤーが変わった」という現象は他の産業にも起こり得ることですので、勤めている業界の中で「変化しなければ生き残れない」という危機感を具体的に感じることができました。素材メーカーなのにソリューションビジネスってどういう意味なんだろう?と漠然としていたんですが、「市場のルールを変革する側に回る」と解釈できるようになったかな。実際のトップダウンの仕事はそんなんじゃないので全然納得いっていないですけど。
ヤフーの1on1
会社でおいおい始めますよーってアナウンスがあったので読みました。「マネージャーの仕事は部下のアウトプットを最大限に引き出すこと」でそのために必要な内容を実際の現場の声を元に編集した本です。
部下の内省を引き出して、経験を概念化することで経験学習を促し、次の行動を決めることでPDCAを仕事スタイルとして回していくってやり方は知ってると知ってないでは大きな差なので、すごく面白かったです。「経験で学んでいくしかないけど、経験を最大限に生かして学習するには?」という切り口では考えたことがなかったので参考になりました。
1 on 1 をすること自体は非常にいい取り組みだと思いますが、「マネージャーの仕事は部下のアウトプットを最大限に引き出すこと」をスローガンに掲げてやらないことには片手落ちだと思います。というのもシリコンバレーやIT業界で流行っているのは「働き方の多様化(在宅勤務、リモートワークetc...)、人材の多様化(イノベーション促進のため)」のメリットを享受しながら如何にして組織力を向上させるかという目的に対してベクトルが揃ってるからだと思います。「部下への個人としての尊重」が大前提なんですよね。ここだけを古き良き体質の会社が取り入れると「飲み会で喋る内容を会社で喋るだけ」になってしまう気が。。。ぜひうちの会社には多様性の部分にも踏み込んでいってほしいです。

ヤフーの1on1―――部下を成長させるコミュニケーションの技法
- 作者: 本間浩輔
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2017/03/25
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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現場を鍛える「強い現場」をつくる7つの条件
製造業で働いている方にはぜひ読んで欲しいです。「現場力とは何か?」という「んなもんわかるわけねーよ」という不毛な議論に終止符を打てます。
日本的(東アジア的かもしれませんが)製造力の源は粘り強く考え改善し続けるところであること、そのために必要な舞台の整え方について書いてあります。
僕は現場力の質問に答えられるようになっただけで満足しています。こういう質問ってベテランが偉そうに喋る出汁に使われるので気に食わなかったんですよねー。「どんなこと勉強したらいいですか?」って聞いても「経験するしかない」とか言われるので腑に落ちないですし。
泥臭いところは経験しないとわからないのはよく分かりますが、一読しておくだけで視野を広く持っておけます。製造業の方は読んで欲しいです。
エッセンシャル思考 最小の時間で成果を最大にする
ブログで書いた「トレードオフ」について勉強できました。有名なので紹介するまでもないですね。
ビジネス書ではあるんですが、生き方のコンセプトがメインです。これと駒崎さんの「働き方改革」を読むと「人生は短い」ことの重要性が身に沁みます。
僕も自分にできる範囲で「人生を選択する習慣」を練習しています。保育園のお迎えや家事にフルコミットしていることも自分で選んでいるので、やりがいあります。小心者なので仕事を切り上げて早めに帰宅するのは今でも心臓痛いですけども。こういうのになれていかないと性格的に自分の納得する人生は歩めなさそうなので頑張ります。
知的創造の方法論
久しぶりにプラトンの4文字を見ました。汗
知的創造ってなんやねん?ってとこなんですが、人間は如何にして知識を習得し、一般化・概念化し、磨き上げてノウハウを作り上げていくか、という話です。要は「知識」ってどうやって生まれるのかな?ということに関する研究結果が書かれています。
第1章は4人の哲学社の思想から入っていくので泣きそうでしたが、SECIモデルという知的創造モデルの解説と、実際の企業における創造活動に当てはめて成功事例を分析してくれていて、本そのものが概念化→適用の流れを沿っています。こういうのはループものの作品を見るときのようにしびれますね。
僕自身はあるプロジェクトで「ノウハウとは?」というまたもや深遠な質問に答えることができず、とりあえず「SECIモデル」でググったら出てきた本です。
「ナレッジワーカー」という聞き慣れない言葉が出てきますが、働き方改革に通ずる「考え方改革」の手がかりがこの本には入っています。「日本が高度経済成長を達成できたのは、技術の文化的、歴史的背景を理解しなくても適用できる人種で、今その背景を知らないことで技術創造ができなくなっている」とは耳が痛いですね。確かにクリスマスやハロウィーンの由来とか、風習の意義を理解しなくても楽しめちゃうのが日本人なんですが、そこが「自分たちで考えてコンセプトを生み出す力」を奪ってしまっているという皮肉です。
結構面白かったんですが、なにぶん難解で一度読んだぐらいでは脳みそから流れ落ちてしまったようなので、もう一回読んでレビューしたいです。
最後に
頭が堅い本しか読んでない!ですが、後半は頭使いながらじゃないと読めない本を読んだんで結果的にはよかったです。もうちょい小説とか読みたいな。。。。
ではでは!