一年前に洗濯乾燥機を買って以来、タオルや靴下は乾燥モードで乾かしています。我が家は洗濯物が多いのですべて乾燥に回すことができないのですが、干す作業が減るだけでもだいぶ楽になります。いい時代になったものです。
そんな大活躍の洗濯乾燥機だったのですが、2週間前から乾燥の調子が悪くなってしまいました。どうした乾燥機?もっとお前はできる子だろ!色々とネットで調べながら解決しましたが、原理から考え直してみると「乾燥って、こういうことしてるんだな」と面白くなったので一連の流れを紹介します。
乾燥機って何やってるの?
ヒートポンプ式乾燥機の原理
そもそもヒートポンプ式の乾燥機内で何をしているかというと、
- 乾いた熱風で衣服を乾燥する
- 水分を含んだ空気を循環させる
- 空気を冷やして水分を回収
- 再度空気を温めて、乾いた熱風でを作る(1に戻る)
のサイクルで乾燥を行なっています。熱風から水分を除湿して乾燥に再利用することで省エネになっていますね。
ドラム式とタテ型の違いって?:乾かし方を比較 | 洗濯機の賢い選び方 | 洗濯機/衣類乾燥機 | Panasonic
空気の飽和水蒸気量
そもそもなぜ湿った衣服が乾燥するかというと、水分が蒸発して空気中に移動するからです。そこでポイントとなるのが飽和水蒸気量です。空気中には水蒸気が一定量含まれていますが、空気が持てる水蒸気量には限界があります。
【中2理科】飽和水蒸気量とは ~露点とは、湿度とは、湿度の計算問題の解き方~ | 映像授業のTry IT (トライイット)
このグラフは横軸に温度、縦軸に空気中の水蒸気量を表していて、なだらかな曲線となっているのが飽和水蒸気量です。飽和水蒸気量は温度と関係しており、温度が上がるほど増加し逆に温度が下がると低下します。冬場に窓ガラスが結露するのは、室内で温まって水分を含んだ空気が朝方窓ガラスに当たって冷やされ、温度が下がり飽和水蒸気量が低下して最終的に含んでいた水蒸気の一部が水滴になるため発生します。(グラフの右から左に移動する形)
この逆に、空気の温度を上げることで空気の持てる水蒸気量を増やすこともできます。夏場は湿気が多く、冬が乾燥しがちなのも気温の変化によって空気の飽和水蒸気量が変わることが影響しています。
ヒートポンプ式の乾燥機はこの原理をうまく利用しています。
ヒートポンプ技術による乾燥の仕組み
パナソニックのホームページの説明がわかりやすかったので、引用しています。
【ドラム式洗濯機】 ヒートポンプ乾燥方式とは? - 洗濯機/衣類乾燥機 - Panasonic
この図の一番上が、熱風で衣服を乾燥させる工程で下が熱風から水分を回収、再度加熱する工程ですね。空気を冷却・加熱にヒートポンプを使って循環させています。
空気を循環させて使用しているので、乾燥不良が起こるのは循環がうまくできていないことが一番の原因になりそうです。乾燥の調子が悪かった時は、槽内に水滴が残っていて洗濯物が若干湿っている状態でした。
原因はフィルター掃除が甘かったこと
フィルター目詰まりでの循環不良
調べてみると、フィルター掃除の時に取りきれていない埃が抵抗になって空気が慣れにくくなり、乾燥しにくくなっていることが分かりました。参考にしたエントリはこちらです。
日々フィルター掃除はやっているのですが、洗濯機に固定されているフィルターは片面しか掃除できなかったのでもう片面の細かい埃が溜まって詰まっていたようです。一通り分解してハイターで洗浄したら無事完走できるようになりました。
失敗した対策例:室内の換気をよくする
実はフィルターの洗浄前に、サーキュレーターで室内の空気を循環させるというのをやってみました。「乾燥機周りの空気の温度が高くなっていて乾燥しづらくなっている」というエントリを先に見つけたためです。ただこれは今回は全く効果なしでした。
原理から考えると当たり前なんですが、乾燥機内を空気が循環しているので室外の空気の温度は関係ないんですよね。ドヤ顔で妻に連絡していたのに効果がなくて恥ずかしかったです。どうしたらいいか?の部分を試すのもいいですが、何が起こっているのかを理解する努力も必要でしたね。。。
まとめ
ということで、ヒートポンプ式の洗濯乾燥機の乾燥がうまくいかないときは、フィルターを綺麗にしましょう。普段手入れしているところ以外もきれいにするとうまくいきます。
ではでは!