たけとけたと片付かない部屋

製造技術の仕事や家事・育児、趣味について書きます。

残業で帰りが遅い人には「パートナーが怒る」ことを文化にすれば長時間労働は減るんじゃない?

10月より労働組合の職場委員として「総労働時間の削減」に奮闘しています。昨今は国からの要請も強くなっているようで会社側からの施策もあり、組合側でも今まで以上に仕掛けて欲しいというそんな状態です。

その活動の中で、結構な頻度でぶつかるのがこの言葉。
「もっと仕事したいのに、なんで残業したらあかんの?健康の範囲内でやってたら誰にも迷惑かけてないやん」

今まで残業(とサービス残業)をジャバジャバやってきた人からすれば、やり方、考え方を変えるのはすごくしんどいんだとは思います。ただこれまでのやり方では誰にも迷惑をかけていないなんてことは決してないという前提は知ってもらう必要があります。

残業できる人間が不当に評価される

会社で働いていると、大抵は業務目標なるものがあってそれをどれだけできたかが成果になります。この成果をもってその人のスキルや職務能力を推し量ることもあります。
労働時間が適正に管理されていれば、インプットである労働時間量が10で全員固定で、アウトプットの数値を見ればその数値で個々人の能力を比較することができます。簡単ですね。
このやり方だと、アウトプットを増やす方法は以下の3つになります。

1) インプットとアウトプットの変換効率を上げる
2) インプットの量を増やす
3) 外部リソースを使ってアウトプットを作る

このやり方の中で短期に効果が上がるのは2)インプットの量を増やす、になります。当然みんな評価されないよりは評価される方がいい人が多数ですので、残業してアウトプットを増やす生存戦略を取る方が多くいる状態になります。
こうなってくると、「アウトプット量を評価する」=「長時間労働を評価する」ことになってしまいます。
一部の人は1)や3)の戦略をとります。これは長期的な視点であったり、健康上長時間労働ができなかったり、子育て・介護の担い手であって長時間労働なできない方などです。一部の方でも1)や3)の戦略でうまくいきますが、短期で成果を出すことはは難しいため一時的には2)の戦略に負けてしまいます。

これにより、「長時間労働ができる人」が評価され、出世のレールに乗っていきます。

障害は残業で乗り越えろマネジメント

出世するとリーダーとして部下を持つようになります。自分の仕事だけでなく部下の仕事のフォローも必要です。
ですが、もし困った時は残業で乗り越えてきたのであれば、部下に教えることも、「長時間労働で仕事のクオリティを出せ」になってしまいます。組織の日本人なんて従順な羊みたいなものなので、部下も「長時間労働ありき」の仕事に染まっていきます。
外からの評価は成果の量だけなので評価は下がりません。チーム単位の労働時間の効果が増大して成果が増える可能性すらあります。そしてこのリーダーはまた出世していきます、、、

「長時間労働マーチ」が延々と続く

こうなってしまうと、上層部の多くの人は「困難があっても、頑張って働けばなんとかなる」という意味不明なことを言う人ばかりになります。仕事のアウトプットの最大化や、チームとして業務の優先順位をどうするかなんてことに真剣に取り組んでいないためなんでも「できるまでやる」思想になってしまう。。。
要するに「長時間労働で成果を上げてきた人を評価してしまうと、組織に悪影響を及ぼす」ことになるんです。

能力のある人を評価できない

加えて、残業するなどして長時間労働できない人の評価は総じて低くなってしまいます。こうなるといくら多様な人材を採用しても、肝心の上層部には体力マッチョな人しか残ってきません。クリエイティビィティには多様な価値観の相互作用が必要不可欠なので、組織としてどんどん貧しい、画一的な方向に進んでしまいます。

長時間労働を一時的に行うことで窮地を脱することは可能ですが、それが慢性化してしまうと組織が大変なことになってしまうんです。このようになることを考えると「長時間労働は個人の自由」ではありません。「組織にとっての害悪」になります。

でも「成果が出なくて怒られるのはイヤ」

 ただ、実際に残業を減らして労働時間を減らすと、成果が減ります。10の労力で10成果を出していた人であれば、7にすれば7になってしまいます。
「7をどうやって10にするか」が仕事できる・できないを分ける部分であり仕事の醍醐味でもあるんですが、ここで成果が出ず上司に怒られてしまう人が長時間労働に逃げてしまいます。もしくは仕事が終わらない量であることを長時間労働している実績で言い訳してしまいます。このように「残業が逃げ道」になってしまうと、いつまで経っても労働時間が減らないんですよね、、、

残業で帰りが遅い人には「パートナーが怒る」文化にしてしまえばいい

僕は今後の転職も考え社会全体から長時間労働が消え去る未来をみたいなぁと思ってます。

そこで解決策の1つに
「帰りが遅いとパートナーが怒る」
ことを提案します。

これは、文字通り帰りが遅いとパートナーが怒ってしまうというものです。残業して仕事して帰ったら上司には怒られず、パートナーに労ってもらえるならそりゃあ残業するよねって話です。
 僕の場合は共働き+子育て真っ只中ということで、遅くまで残業すると「え?なんでそんなに仕事するの?家のことはどうするの?」、飲み会に行くと告げると「え?また飲み会?家のことはどうするの?」と詰められます。家事・育児を実施する要員としてしっかりカウントされているので、帰宅時間が遅いとその分家庭に迷惑がかかる構図になってます。ですので仕事の最中にも「今日は早く帰らないと」「来週は残業が増えそうだ、なんとかしないと」と真剣に考えますし、「あー、これは会社の上司の采配が悪い、できなかった分は潔く怒られよう」「これやったって意味ないよね、適当にやっておこう」と潔く撤退することも考えるようになります。残業して終わらせたとしても大した評価をされない場合、家に帰った方が家のことができるのでトータルでメリットが出るんですよね。

というか、パートナーの機嫌が悪いことが一番困る(汗
 おかげさまでチーム内では残業が少ない方でずっとキープできています。加えて仕事効率化もうまくなってきたので、いい傾向です。
社会派ブロガーちきりんさんもよく言われていますが、「インプットを減らせばアウトプットの出す効率が上がる」んですよね。
chikirin.hatenablog.com

残業をやめれば会社以外の社会で楽しく生きれる

 僕の場合は家庭ですが、独身でも残業していなければ遊ぶ時間も増えますしボランティアなど他の社会活動にあてる時間が増やせます。好きなことで副業だってできるかもしれません。うまく「残業をすると損する構造」を作って今まで会社で働いていた時間で楽しいこと・面白いことをできる社会になっていけたらいいですよね。

ではでは!